退職の常識 何日前に退職の申し出をするのが適切か?

どうも、44歳で会社を辞めてフリーのデザイナーになった中川あるくです。

大学卒業から今までずっと社会に参加していたので、年齢なりの常識は持っているつもりでしたが、今回会社を辞める際に「常識をわきまえろ」と会社代表に言われました。

退職日の設定がおかしいとのことでしたが、どこがおかしいのか?

この記事は退職に悩む従業員の方に読んでほしいと思います。

常識的な退職日の設定とは

会社ごとに定める就業規則によりますね。

一般的には退職日の1ヶ月半や1ヶ月前には申し出ることになっている会社が多いんじゃないかな。

僕が最初に勤めた会社を辞める時は律儀にも3ヶ月前に退職を申し出ました。

この時は結婚や引越しという予定に合わせての行動でしたし、3ヶ月前というのは当時の常識感でもありました。

就労規則が無い場合や、退職の申し出に関して明示されていない場合は、退職日の2週間前が申し出のタイミングになります。

契約期間の定めのない労働契約を結んでいる場合、原則として労働者は、理由を問わずいつでも労働契約の解約を申し入れることができます。この申し入れから2週間を経過すれば、使用者の承諾がなくても労働契約は終了します(民法第627条第1項)。

東京都産業労働局 ポケット労働法2017 より引用

使用者の承諾がなくても労働契約は終了となっているので、会社がブラックなら逃げ出しても良いんですね。

さて、今回僕が辞めるにおいての退職日は、会社代表と退職について協議した最終面談から2週間切ってました。

ただし、退職の1ヶ月半前から話し合いを始めていて、事前に8月中旬には退職したいと意思表明していました。

常識ってなんだよ

退職について話し合う面談の予定がズレにズレ、退職を承諾されたその時は、希望退職日の2週間前を切っていました。

代表には8月末まで勤務するように言われました。

でも僕は頑なに退職日を変更しませんでした。

すると代表がこう言ったのです。

“会社代表”
最低でも1ヶ月後に辞めるのが常識だろう。

“会社代表”
もういい歳なんだから常識をわきまえてくれよ

もうね、僕のヘソではお茶が沸騰していましたよ。

給料未払いをしておいて、その口で常識を語るのかよ。

給料未払いの場合はいつ辞めるべき?

給料未払いの場合はいつ会社を辞めることができるのか?

労働基準法に記載があります。

労働基準法では賃金の支払いについて次の5つの原則を定めて

います(労働基準法第24条)。

東京都産業労働局 ポケット労働法2017 より引用

④毎月1回以上払いの原則と、⑤一定期日払いの原則

 賞与などの臨時的に支払われるものを除き、賃金は毎月1回以

上、一定の期日に支払日を決めて支払わなければなりません。

東京都産業労働局 ポケット労働法2017 より引用

使用者からあらかじめ明示された労働条件と実態が異なっていたときは、労働者はただちに労働契約を解除することができます(労働基準法第15条第2項)。

東京都産業労働局 ポケット労働法2017 より引用

給料未払いについては24条を逸脱していますし、152項にも該当しています。

だから、すぐにでも雇用契約を解除できると考えて良いと思います。

そう、雇用とは契約なのです。

約束が反故になれば、契約は履行できません。

普段からビジネスについて語る経営者に対しては、こちらもビジネスライクにズバッと辞めてやりたいものです。

ちなみにポケット労基法は非常にわかりやすくまとめてあります。

雇用者であろうが労働者であろうが一読しておくべきでしょう。

以下のwebサイトからダウンロードできます。

TOKYOはたらくネット
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sodan/siryo/pocket/index.html

給料未払いの場合、すぐに辞めたほうが良い理由

法的にすぐに辞めてしまって問題無いのだが、もう1つすぐに辞めるべき理由があります。

それは、未払い給与が回収できるかわからないからです。

回収するための方法論についてはたくさんのwebサイトで解説されています。

でも、回収方法がわかっても、会社に支払い能力がなければ、未払いの給料は回収できません。

そもそも経営状態が悪く資金が回せていないから給与が支払えないわけで、はたしてそんな会社から未払いの給料を回収できるだろうか?

ずるずると会社に在籍するということは、未払いの金額が増えることであり、自身のリスクを増大させていることに気付くべき。

国が未払いの給料を立て替え払いする「未払賃金立替払制度」がありますが、会社が倒産せず細々と事業を継続していたら制度も使えず、回収もできなくなります。

必ず助けてもらえると考えないほうがいいでしょう。

未払いが発生する原因を考えろ

会社はお金を生み出す装置です。

給料未払いは、お金を生み出す仕組みが壊れているから起こります。

経営者は状況を改善するために社員の奮起を促すでしょう。

ですが、精神論では一時しのぎしかできません。

経営を回復させる合理的な手法が経営者から説明されなければ、会社に未来はありません。

早々に辞める判断をするべきなのです。

僕には4ヶ月半分の未払いの給料があります。

会社代表は必ず払うと言っていましたが、この1ヶ月は音沙汰なし。

そりゃあすぐに払える額じゃないよなぁ。

未払いが膨らむその前に解雇の一言が欲しかったと思います。

給料未払いに悩むあなた、未払い額が膨らむ前に退社の決断をするべきです。