カメラの選び方 広告素材の写真を撮る場合

こんにちは、15年勤めたデザインプロダクションを辞めて、フリーになったデザイナーの中川あるくです。

先日、機材の充実のために一眼レフカメラを購入しました。

もともと機械やデジタル機器が好きな方ですけど、カメラ選びって悩みますよね。

ネットを検索しても、専門用語が飛び交ってて初心者にはチンプンカンプン。

その専門用語を調べていけばカメラのことがもっとわかるようになって、楽しくなるのでぜひ一歩踏み込んでみて欲しいところです。

この記事では広告素材となる写真を自分で取りたい方のためのカメラ選びとして、選定の基準をまとめてみました。

こういう選び方ってネットを検索してもあまり見ないので、お役に立てば嬉しいです。

今はクライアント自ら広告制作できる時代

Adobeのアプリケーションもだいぶ入手しやすくなりました。

パソコンやデザイン制作のアプリケーションやカメラなど、広告制作で利用するツールも随分入手しやすくなりました。

インターネットも普及して、印刷もグッと価格が安くなりました。

そんな時代だからこそ、センスと学習のできる人は自分で広告を制作してもいいと僕は思っています

僕はデザイナーだけども、コピーライティングもするし、イラストも描くし、撮影もするし、動画編集もします。

Wixを使ってウェブサイトもつくります。

ライターやイラストレーター、カメラマンやウェブデザイナーの領空侵犯してますよね。

でも、求められるクオリティに届くなら、自分で手を出してもいいと思います。

それを制限する法律もないし、制作予算にも限りがあるしね。

ウェブやSNSを使えば、誰もが自分の商品を広告できる時代に、素人がプロの敷居をまたぐな!とか

言えない時代になっています。

逆に素人さんがプロの領域に触れたら、やっぱりプロってすごい!っていうリスペクトが生まれると思うんですよね。

そういうの大事です。

もちろんプロは、素人さんにリスペクトされるように、研鑽を積まなきゃいけません。

15年のキャリアの中で出会ったクライアントや広告代理店の担当者の中には、相手を尊重する気持ちの無い人ってやっぱりいて、そういう方の仕事は2回目は受けません。

発注者と受注者って上下関係じゃないですからね。

お互いに尊重しあって気持ちよく仕事をしたいものです。

写真を使うサイズに合わせてカメラを選ぼう

ここで触れるのは、趣味のカメラ選びではなく、広告素材に使える写真を撮るためのカメラ選びです。

つまり、建物を撮るのか、人物を撮るのか、スポーツを撮るのか、風景を撮るのか、といった撮影シーンの話ではなく、ウェブで使うのか印刷で使うのかという話です。

撮った写真をウェブに使うのであれば、カメラは何を選んでも良いです。

iPhoneでも全然キレイに撮れます。

メーカーごとに発色の特徴があるので、自分の好みの写りのものを選べば良いです。

でも、チラシやパンフレットなど紙媒体で写真を使いたい、またはその可能性があるという人はちょと待って。

ウェブと印刷では使用する写真データの解像度が異なります。

ウェブで使用する写真データの解像度は72dpi、印刷では350dpiです。

dpiとは
dots per inch(ドット・パー・インチ)」の略で、1インチにどれだけ「ドット」が含まれているかを表す数値。ドットは、モニターなら光の点、印刷ならインクの点です。

以前の記事でwebの写真データは印刷には不適だよと書きました。

ロゴデータは大切な資産、必ず手元に置いておこう

2017年10月24日

同じ写真データでも印刷に使う場合はウェブで使う写真の約5倍の大きさが必要なのです。

画像センサーのサイズで写真の大きさが決まる

カメラには大小様々なモデルがあります。

小さい順にコンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼レフ、一眼レフ。

小さなカメラには小さな画像センサーが、大きなカメラには大きな画像センサーが入っています。

ニコンのカメラに使われているセンサーサイズの一例

写真のサイズは、この画像センサーの大きさで決まります。

僕が買ったカメラメーカのニコンだと、それぞれのカメラで撮った写真データの大きさはこんな感じ。

ニコンwebサイトから作成 ちなみに画素とピクセルはイコールです。

ちなみにiPhone7で撮った写真のサイズは3024×4032ピクエルです。

このiPhone7で撮った写真をPhotoshopなどの画像編集ソフトで解像度350dpiに変更すると、A4とほぼ同じサイズになります。

アマナイメージズ サイズ計算式 https://help.amanaimages.com/price/photo/hayami_price/

解像度を350dpiにした画像サイズの実際のサイズを計算するのは面倒なので、上記アマナイメージズの計算ページを使うと楽チンです。

で、それぞれの画像センサーで撮った写真が、解像度350dpiでどんな大きさになるのかを一覧にしてみました。

センサーと写真の大きさの関係。

例えばiPhone7で撮ったA4サイズの写真をA3全面にレイアウトすると141%拡大しないといけません。

そのとき、画像解像度は350dpiから247dpiに下がります。

こうなると印刷で推奨される画像解像度を下回りますから、写真がモザイク状になって荒れてしまいます

実際の印刷では200dpiぐらいまでは許容範囲と言われることもありますが、仕上がりが荒れることには変わりないので避けた方が良いです。特にメインビジュアルに使うなら。

B3チラシの全面に写真をレイアウトしたり、B全ポスターを制作したり、広告では様々な大きさのツールを制作します。

プロカメラマンがフルサイズという大きなカメラを使う理由がわかりますね。

紙媒体で写真を使いたいあなたが選ぶカメラは

僕は紙媒体の仕事もしているのでAPS-Cサイズの画像センサーを積んだカメラを購入しました。

紙媒体で写真を使うならAPS-Cという画像センサーを載せたカメラが選択の基準になります。

APS-Cという画像センサーで撮った写真データは解像度350dpiA3サイズに相当します。

チラシならA4B4A3まで全面に写真をレイアウトできます。

A3でチラシをつくるってあんまりないですけどね。

仕上がりサイズがA4のパンフレットなら、見開きで写真をレイアウトできます。

この程度の写真データを用意できると、デザインの幅が広がります。

購入するなら、コンパクトデジタルカメラの中でもハイスペックなモデルかミラーレス一眼レフ、または一眼レフが該当します。

費用対効果で考えるならカメラマンに依頼もやっぱりアリ

ミラーレス一眼レフのラインナップは5万円~数十万円と幅広いんですが、たまに制作する広告に数十万円の設備投資はもったいないですね。

それなら商用カメラマンに撮影を依頼した方がコストパフォーマンスが高いです。

何よりプロでやってるカメラマンは知識、技術、機材の全てにおいてあなたより高いパフォーマンスを発揮します。

ぶっちゃけ、写真の出来ってライティング(照明)でほぼ決まっちゃう。

このライティング(照明)が素人には難しいんですよね。

というか、ライティング(照明)のキモを押さえたら、自分の撮った写真素材を広告に使えるようになりますよ。

カメラを趣味にして楽しく勉強できるなら、奮発して大きなカメラを選んでもいいですね。